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LUXBookReview『かたとき〜橋本大輔写真集〜』
Text Mihoko Matsuda
見落としていた「日常」の安らぎ
世知辛い世の中。慌ただしい毎日。おそらく多くの人々は、ゆっくり立ち止まることを忘れているのではない か。写真家・橋本大輔氏の写真集を開くと、静かに空を見上げる安らぎや花と向き合う喜びがあることを思 い出せてくれる。この写真集は、ひとつとして「珍しいもの」を追いかけてはいない。タイトルが表すように、 日常のかたときに見える風景を、橋本大輔という媒体を通して切り取っているだけだ。ただ、その色や構図 は圧巻。釣りをしているおじさん、テーブルに残ったコップの水滴が、どうしてここまでアートになるだろ う。まだ30代の橋本氏が捉えた一瞬は、決して饒舌ではないが、その静かな作品をじっと見つめていると、波 の音や子供が走る音が聞こえてくるような気がする。きっと、今を一生懸命生きている人のかたときには、こ んな安らぎの風景がそっと横たわっているに違いない。
●『かたとき 橋本大輔写真集』橋本大輔 文芸社ビジュアルアート 1,680円
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