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(左)帝劇ビルの9階直通エレベーターを上がると出光美術館がある。(右)皇居のお濠を見下ろすロビーも人気スポット。鑑賞後はロビーで一息つきながら作品の感想を語り合いたい。
企業家とアート
—出光美術館1
Text Yoko Yamamoto
事業の芸術化を目指した昭和の巨人
東京・丸の内、皇居のお濠に面した帝劇ビルの9階という絶好のロケーションに、出光美術館はある。国宝や重要文化財も含む日本の書画や陶磁器を中心とした、1万5,000点にも及ぶコレクションの基礎は、出光興産の創業者である昭和の名経営者、出光佐三氏の審美眼に基づいて蒐集されたものだ。骨太で他に類をみない事業経営で名を馳せた佐三氏だが、蒐集された美術品にも一本筋の通った、独特の美学といったものが現われている。清雅、淡泊で主流から少し離れたものを好んでいたという佐三氏は、「私の一生はいつも美にリードされてきた」と語った。作品に対する心酔や愛情といった、直観に従った作品選び。どんな難局にあっても馘首(かくしゅ)せず、“大家族主義”を貫いた経営方針。佐三氏にとって美術品蒐集と企業経営は密接にリンクしたもので、お互いに影響を与えあっていた。
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